Perfume - 23:30 [Drowsy Obscure Mix]

 ひさしぶりにPerfume関連の動画をYouTubeニコニコ動画にアップしてみた。毎回それぞれの動画エンコードの仕様がどう変わっているか調べたりとかでとまどうことしきり。PC環境の変化もあって今回はMushupではなくてどちらかというとRemix的なものになりました。地味ですね。でも地味なのが好きだから仕方がない。Youtubeのほうが画質音質ともに良いんじゃないかと。


【2009/11/25 13:53追記】
 ニコニコ動画削除されたみたい。それも「この動画はアップロード者が削除した為、ご覧になることが出来ません」との表示。いやいや、削除してないし。そもそも削除されたと思しき時間帯にSMILEVIDEOにログインすらしてないのに削除のしようがないし。意味がわからない。
 あの動画で肖像権・パブリシティ権云々が理由で削除されるんだったらイラストもぜんぶアウトだろうし、そもそも運営側の削除だとしたらそれに対して「アップロード者が削除」という表示は輪をかけておかしな話。いったいどうなってんの?


【2009/11/25 18:28追記】
 ニコニコ動画お客様サポートに問い合わせてみたところ「こちらで確認致しましたところ、『sm8908049』は11月25日13:22にアップロード者様により削除された状態となっております」という返答でそれ以上のことはわかりそうにないため、いろいろ釈然としないところはありますが再アップしました。下の動画も再アップしたものにリンクを貼り直してあります。

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Perfume - 23:30 [Drowsy Obscure Mix]


YouTube

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ニコニコ動画
D

 

Jaga Jazzist@渋谷O-EAST

 行ったライブの感想なども書こう書こうと思いつつそのまんまになってしまっているので、今回は忘れないうちに書いてみる。(普段そこそこライブには行っているんだけれど、時間が経つと文章にするのがめんどくさくなってしまうので)
 昨日11/2(月)渋谷O-EASTJaga Jazzistのライブに行ってきました。初来日だったみたい。実を言うと、それほど熱心なファンというわけでもなく、CDは何枚か持っていてたまに聴く程度。でもずっと気にはなっているバンドではあったのでした。北欧系の来日はハズレ少ないしね。
 渋谷O-EASTに着いたのが18時ちょっと過ぎ。ちょうど開場するところで、せっかく観るのだしと思って最前から二列目ぐらいに陣取って開演を待つ。始まったのが19時ちょっとすぎだったかな、メンバーは9人ですでにこの時点で大所帯なんだけど、ほとんどのメンバーが複数の楽器を持ち替えて演奏するので、音だけ聞いたら14〜5人のメンバーはいるんじゃないかと思うほど多彩な音色を聴かせる。
 そもそもメンバーの名前すらよく知らないので間違いがあるかもしれないけれど、フロントは向かって左からドラムのMartin Horntveth、ヴィブラフォンはじめいろいろ持ち替えのAndreas Mjos、ギターやら木管やら持ち替えのLars Horntveth、キーボード全般のAndreas Hessen Scheiと並び、後列に残りのメンバーが並ぶという配置で、ドラムがフロントというあたりがまずなかなかに変わっている。このドラムのMartin HorntvethがMCも担当しており、非常に個性的かつ見栄えのする演奏でバンドを牽引している感じ。ちなみに彼の着ていたTシャツは「Public Enemy」。
 あとメンバーで目を引いたのはチューバ、フルート、小さめのグロッケンシュピール、それからコーラスと器用にこなすLine Horntveth。見た目はまあなんとも田舎くさい太っちょのお姉さんなんだけど大したもんだ。タンバリンやシェイカー的なパーカッションも演奏していたのだけれど、そんな打楽器も必要ない場面では自分のお腹を右手でぽんぽん叩いてリズムをとる姿がなんともキュート! PAのバランス的にチューバの音量が小さく聞こえづらかったのは残念だった。
 それからやはり後列で目立っていたのはトランペット、ウッド・ベース、キーボード、ヴィブラフォンまで持ち替えで演奏していたMathias Eick。楽器の持ち替えも、同じ系統の楽器ならまだしもトランペットとウッド・ベースの持ち替えってどういうことよ?とか凡人は思ってしまうのだが、このへんは北欧(と一括りにはできないにしろ)の音楽教育によるものじゃないかという気がしてならない。例えばFarmers Marketなんかもそうだけど、あの尋常でない楽器の持ち替えおよび演奏には確かに共通のものがあって、それは単に北欧人が器用だとか楽器演奏に長けているとかそういうレベルの問題ではないんじゃないかな、たぶん。
 あるバンドの音楽性を論じるのに別の音楽家を引き合いに出すというのはあまりするべきことじゃないのだけれど、過去の音楽体験の類推からしか語れない音楽的ボキャブラリーの貧困ということでここはご容赦くださいましな。Jaga Jazzistの音楽を聴いていて思い出すのはまずFrank Zappa、それからHatfield and the North(Line Horntvethのコーラスは一人The Northのようだ)をはじめとするカンタベリー系ジャズ・ロック、それからSteve Reichだろうか。彼らが実際に影響を受けたか否か、またはどれほど意識しているかはまったくわからないものの、こうした良質な音楽の持つ豊かさはJaga Jazzistの表現に何らかのかたちで流れ込んでいることは間違いないし、さらにそれを消化した上でエレクトロニカシューゲイザー的な要素も包含してオリジナルな音楽を作り出している。そう感じた。
 二回のアンコールを含めてあっという間の二時間だった。生で『All I Know Is Tonight』や『Oslo Skyline』(『Tokyo Skyline』と紹介していた)が聴けただけでも大満足。そしてこれも気のせいかもしれないけれど、北欧のバンドはみんなサービス精神が旺盛で、本人たちも楽しみ、客を満足させるための努力も惜しまない、そこがいい。
 推測のみの音楽教育の話とは別に、北欧諸国は自国の音楽文化の紹介にきちんと金を使っているからこそ、こんな大所帯のバンドが前売り4500円で観られるのであって、そうした援助がなければハコにもよるがとてもこの値段では呼べないだろう。国の援助がなければ優れた文化が生まれないと言うわけでは決してないにしろ、まず活動するための最低限の基盤があるかどうかでは大違い。レコード会社がいかにCDを売るかだけを考えていて、その価値観からしか音楽家が収入を得られないとしたら、そこに生まれる音楽文化はずいぶんいびつなものになるしかないと思うよ。
 11/4(水)に渋谷O-nestで(追加?)公演があるようなので、見逃した方はぜひ。
 

【追記・訂正】「メモボ」というサービス

【追記・訂正:本日(10/28)になったらなんの前触れもなくサービス再開していました。特に障害情報等はなし。ただし株式会社アクトニッチのサイトはあいかわらず「ページを表示できません」のまま。謎。】



 特になんということもない愚痴みたいな内容ですみません。
 「メモボ」というサービス(http://www.docosumi.jp/memobo/)がありまして、以前知り合いがブログで紹介していたのを読んでから使っていたんですね。「『メモボ』みんなで自由に書き込める!ケータイで共有できるホワイトボード」と謳ったサービスだったのでした。
 どういう使い方をしていたかというと、中古CDダブり買い防止や、探しているCDの情報をメモとして書き込んでおいて、CDショップから確認したりとか、そういう感じ。
 ところがしばらく前からメモボが表示されない。どうやらサーバ自体が生きていない。というよりも、有料サーバの契約が切れて使えなくなってる感じ?
 運営している(していた?)株式会社アクトニッチのサイト(http://www.actnich.com/)も「ページを表示できません。」ときやがった。
 こういうよくわからない会社が運営している無料のサービスが永遠──というのは大げさにしても少なくとも今後も使い続けられるものだとぼんやり思っていたのが甘いといやあ大甘なのかもしれないけれど、それにしてもサービスを中止するならせめてそれなりの告知なりなんなりをするのが最低限の社会的な義務というものだと思うよ。そういう発想自体が甘いと言われりゃ返す言葉もありゃしませんが。
 要するに、メモボに記録していたデータは、別途PCにテキスト・データとかで保存していなかったので、せっかくいろいろ入力したものがすっかりこの世から消えてしまったというわけなんです。あぁ。
 まあ、わざわざ別途テキストとかで保存せずに、web上だけでさくさく編集して追加していける手軽さが売りのサービスだったわけだしねえ。などと言ってももちろん祭りは終わった後なのであった。いや別に祭りもなにもなくて、ネット上でこんなサービスを使っていた人はほとんどいなかったらしく、「メモボが使えなくなったけどどうなってんの?」的な情報自体がまったくないみたいなんですけどね。

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 さて、横アリ14、15日の感想も書かずにこんな愚痴ばかりなわけですが、いちおう最終日の30日も参戦してまいります。
 最終日が終わったらまた感想も書くかも書かないかも。でもよかったですよ、横アリ。武道館や代々木体育館とは比べものにならないくらいよかった。ひさしぶりに心から楽しんだ。
 30日も楽しんできますとも。
 

iPhoneでP.T.A.

 先日、というかもうしばらく前なんですが、何年も使っていたボロ携帯(Vodafone)の調子がどんどんおかしくなり、ネットに接続するにもお気に入りが半分ぐらいまでしか表示されないし、画像が添付されているメールを開けなかったり、まあとにかく挙動不審が加速してひどいことになってきたので機種変更することに。iPhone16Gにしようと思ったんですが、普通に在庫があるものだと思っていたら近所のショップはどこも品切れ(たぶん全国的にだろうけれど)で、いつ入荷するかもわからない上に予約もできないのでその都度問い合わせてもらうしかないみたいな恐ろしげな話になってしまった。と思ったら、一店舗だけ予約もできて、かつ一週間〜十日間程度で入荷予定ということでいそいそと申し込んできた。のが8/22のこと。
 しかし世の中そんなにうまい話はないもので、その後まったく連絡はない。こちらから問い合わせてみると、あれ以来入荷がないのでやはりいつになるかわからない、一か月ぐらいかかるかもしれないし、キャンセルも可能ですよ、などとまた悩ましいことを言いやがる。
 都内を捜しまわればどこかに在庫があるかもしれないが、まあどこも似たり寄ったりだろうと諦めて待つことしばし、ようやくショップから連絡があったのが9/13で、けっきょくは三週間弱かかったわけですが手に入ったのでよしとしておきます。
 とここまでが前置き。いざいじってみると今まで使っていた(東芝製。東芝製の携帯電話など金輪際使わない、と宣言したくなるほどひどいものだった)携帯とはずいぶん使い勝手が違って、これはなかなかになれるまでに時間がかかりそうだ。が、これは確かに多機能で便利だ。いや便利だけれど、これほどの機能が携帯電話に必要かと問われるとそこはたぶん必要ないかもしれないが、まあいろいろできるしネットへの接続なんてPCがなくてiPhoneだけでもしかしたらいいんでないの?と思うぐらいの勢いだ。
 あ、やはり話はちょっと前に戻る。でその東芝製の××携帯が挙動不審すぎて電話帳のデータを取り出すことができず、さらに古いminiSDタイプのものだったので電話帳データをmicroSDに落として持ってきてもらえればショップのデモ機からサーバにアップできるかもしれないとのことで、ヨドバシカメラにそのまま移動してmicroSDカードとmicroSDminiSDスロットに挿すためのアダプタを購入、歩きながらなんとかmicroSDに電話帳データをバックアップして再度ショップに持ち込むも、miniSD対応のデモ機のどれでも電話帳データを認識しやしない。いろいろ試してもらったがけっきょくだめとのことですごすご帰宅。そもそもそんなデータはとっくにPCにバックアップしておきたいところだったのだが、またこの東芝のドライバがひどいものでWindows2000でもWindowsXPでもまともにインストールできずPCへのデータの移動すらできなかったという前科があったのだった。ああ。(最終的にはSDカードからPCに取り込みデータを変換してWindowsのアドレス帳にインポート後修正してiPhoneと同期)
 とこの調子で書き続けると東芝の悪口だけで終わってしまいかねないので、もう一度話を戻したい。すみませんね、こんな話で引っ張って。でもどうしても文句を言っておきたかったのよ、不特定多数(or 少数)の目に触れる場所で。
 さて本題のP.T.A.です。iPhoneのブラウザ(safari)でブックマークもなんとか整理して、じゃあP.T.A.にアクセスしてみようと思うわけです、いちおうファンのはしくれとしては。でもメニューが表示されない。PCからアクセスしてもうっとうしいだけのあのFlashメニューね。
 ああiPhoneFlashを表示させるためにはなんかiPhoneアプリが必要なのねとか思って調べてみると、予定はあるものの現時点iPhoneFlashには対応していないみたいなんですよ。(ですよね。もし違ったらこっぱずかしい)
 もちろんいPhoneがFlashに対応していないことは別にどうということはなくって、むしろなんでP.T.A.のメニューがあえてFlashでなければならないのか、というかどういう必然性があるのかという根本的な問題になってきちゃうわけですけれども。
 けっきょくトップページはスルーして、それぞれのページのアドレスをいちいちブックマークして使うという中途半端な結果になりました。直接それぞれのアドレスにアクセスすれば閲覧はできるので。でもやはりあのメニューがFlashでなければならない理由がさっぱりわからない。あんなちらちらうるさい表示が出たらうれしいですか? メンバー三人はああいうの「かわいー!」とか言ってよろこぶんでしょうか。まあ彼女たちが好きだっていうんならいいんですけどね。しかし利便性やら汎用性ということを考えるならば、あのトップページ以外に別途Flashを使わないメニューページを用意しておくというのがスマートなやりかただと思うんだけどいかがなものでしょうかね。そういうことって最近ではあまり問題にされないのかな。iPhoneユーザはそこそこいるだろうし、そういう心遣いがあってもよいと思うの。ぜいたくかしら。
 

また九月がくるよ

 さて、Perfume八月のホール公演も無事終了ということで、みなさまホール公演は行かれましたか? 私は行ってないんですが、いま考えれば遠征でもなんでもしてホールでのライヴを目撃しておくべきだったかと若干の後悔などもしつつ、でもまあこれはこれでいいのかなという中途半端なあきらめもありつつ、うすぼんやりとした毎日を送っております。
 なんというかですね、ここしばらくというかここ数カ月というか、それ以前のほぼ日常的に頭のなかを占拠しているほぼ七割ぐらいはPerfumeのことばかり、みたいなちょっといいかげんどうなのよという状態が緩和されてというか少し冷静になってきておりまして、それはいろいろな要因が絡みあっての結果であるのでその原因を「これ」と一言でいうこともできないですし、さらにはPerfume自体の魅力が薄らいだからだとかそういうことではまったくないのだと思う、たぶん。最後にたぶんとつけくわえるあたりがなんとも弱気な感じですけれども。
 でもその要因を強いてひとつ挙げるとするならば、やはり武道館以降のライヴは会場があまりにも広すぎて普通にとれるひどい席ではまったく楽しめないという物理的あるいは金銭的な問題というのがあって、もちろん「まったく楽しめない」というのは言い過ぎだとしても、たとえばGAMEツアー最終日だとか渋谷AXだとかのもうなんとも言葉にしがたいような仕合わせな感覚、と言ってしまうとまったくもって陳腐きわまりないんだけど、こういう経験ができるんだったらもうファンクラブでもなんでも入るしチケットに定価以上の金額を(若干)払うことだってやぶさかではないわい!というそれまでのやみくもに発熱してタンパク質が凝固しそうになっていた頭部に、おもむろに冷えピタ貼られてやんわりとクールダウンさせられたこともまた確か。
 チケット発売時には上記のようなクールダウン気味の状態だったのでそもそも地方に遠征という発想すらなくて、選択肢としては戸田と横浜アリーナだけ。戸田がとれなきゃ(とれなかったわけですが)横アリ二日連続で行くか!と思っていたら案の定二日間追加が決まって、二日間しかなければ両日行きたいが四日間もあると全部行く必要もない気がじわじわとしてきた。どうせ横アリじゃ武道館・代々木体育館の二の舞三の舞は確実だし。ただこれが地方のホールであればそこそこステージに近い席で観られたのではないか、ということですよね。「反省はするが後悔はしない(大意)」という大本さんの発言が後頭部斜め上45度ぐらいをちらとかすめる。ような気がする。もちろん気のせい。
 さて十月の横アリでは、またもや小指の先よりいくぶん小さめな実在感がほとんど感じられない三人を遥かかなたから眺めつつ身体中に冷えピタを貼りつくされたような寒々しい心持ちでリー・リトナーとの婚約を発表しながらけっきょく破棄した某女性歌手のように「COOOL」とつぶやくことになるや否か。とか言いつつも意外と楽しかったりしたらいいな。さらになにかの間違いでP.T.A.枠で良席がとれたりしてたら……などと宝くじで一生遊んで暮らせる額が当たるよりも可能性の低いことを妄想しているとがっかりするだけだからやめておくことにするよ。
 

味覚に爆弾をかかえていまして

 『⊿』発売時の「オンタマ」未公開シーンがたいへん大本さんらしいぼけぼけな内容で楽しかったのでなんとなくテキストに起こしてみました。あくまでも資料的な意味で。ちなみに表記は番組中のテロップとは異なりますのであしからず(個人的好み)。

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Q:のっち。
の:はい。
Q:ずばり弱点は。
の:味覚に、爆弾をかかえていまして、おいしいかまずいかだけで判断してるんで、パイナップルとかマンゴーはだいたい同じ部類だし、
か&あ:うん。
の:メロンとか……
か:メロン?!
の:……グレープは色で判断みたいな。
か:言った味を信じるよね。
あ&の:うん。
か:「これピーチ」って言って飲ますと、パイナップル飲ませてもね、「うん! ピーチおいしい!」って言うしね。
の:おいしければいいよね、でも!
あ:うーん、まぁね(笑)
か:そうね(笑)

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 おいしければいいよね。醤油か味噌かなんて関係ない。いいんです、なにしろ大本さんだし。
 「シャンデリアハウス」最終回において、自称覗き魔二階堂(インパルス板倉氏)の発言として脚本家が書いた、「限度を超えた天然なんだよ。人知を超えた天然なんだよ。そんなとこが好きなんだよ、僕は」というセリフはそのまま番組スタッフのPerfume(大本さん)に対する愛の告白にほかならなかったのだ、と改めて思う。そして夏のツアーが終了して収録時間が確保できるようになったなら、なんとしてでも再開してほしいと熱望するところなのです。フォーマットは変えなくていい。「シャンデリアハウス2」とかでぜひ。

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 毎日暑いですね。ここしばらく音響だとかドローンだとかそういうでろでろした音楽ばかり聴いていたのだけれど、やっぱりこの季節にはダブだのボサノヴァだのショーロだのそういう音楽がぴったりきます。夏はダブ。

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 追記。P.T.A.のブログで大本さんがCSSについて触れてますが、PerfumeのPVもCSSみたいな感じで作ってほしいもんだと思ったり思わなかったり。あのセンスは見習ってよいんじゃないかしら。
 

Kiss and Music

 時系列に沿ったひとつのストーリーであると解釈して『love the world』と『Kiss and Music』の二曲を聴いてみたい。
 二曲に共通して使われる単語には「隙間(隙)」と「刺激」がある。『love〜』でその二つの単語が喜びと希望とつながっていたのに対して『Kiss〜』では一転してシニカルかつ否定的なものになる。二曲をつなぐ長くない時間のなかで、それはどのように変化したのか。
 『love〜』における二人の関係を歌詞から類推するならば「あたし」は「キミ」に対して秘かに恋心をいだいているが、ただその気持ちは「ちょっぴり反省みたいな キャラにもないようなことも」「すこしの意地と」というような表現でほのめかされる彼女の素直に感情表現ができないツンデレ的資質のために「キミ」に対してわかりやすいかたちで表現されることはない。強がりを気取ってもそれがポーズにすぎない「あたし」は「キミ」と夜道を二人だけで歩くというシチュエーションでうっかり「一番星さがす 手が震えて」しまうような実は純情で初心なそしてロマンティックな少女でもある。そんなはっきりしない関係のなか、彼女から「こっそり秘密」を打ち明けることによってようやく「キミ」の心の「隙間」を見る。それは彼女がずっと見たいと望んでいたものでもあり、同時に見る前からどこかで気づいていた「キミ」に惹かれた本当の理由でもあった。「やわらかな キミのタイミング ずるいでしょ チュチュチュ」を身も蓋ない説明的な表現で言い直すなら、ようやく彼女に開示された「キミ」の心の「隙間」――彼の内側にある寂しさのようなものを見て彼女が普段の強がりの鎧をうっかり外してしまったそのタイミングで彼にキスをされたということ。その瞬間彼女にとっての世界はきらめき長い時間「あきらめないで」思い続けてきた恋愛が成就したのだ(と思い込む)。
 ここまでが希望と喜びに満ちた『love〜』で語られたストーリー。以下『Kiss〜』をその後日談と読む。
 『love〜』で「ほらステキ」と喜びに満ちて語られたものは、『Kiss〜』では「わからないのね 刺激じゃないわ」といきなり否定される。「一番星さがす」ようなそれほど遅くない夕暮れ時に並んで歩く程度だった二人は、今では深夜のクラブに一緒に出入りするような関係になっている。もちろん関係はそれだけでない。いま彼女が求めているのは「刺激」という言葉で遠回しに表現される関係ではなく彼の愛情だ。では二人がつきあっているのかというとよくわからない。なぜなら関係を続けなからも彼の態度がいっこうにはっきりしないからでそれに対して彼女はいらだっている。あれほど彼女が見たいと望んでいた彼の心の「隙(間)」はいまや隠されることすらなく、むしろだらしなくも煮え切らない無責任さにしか見えない。意味深にささやき声で「わからないのは あの日のことね」歌われるのは『love〜』で彼女を決定的に誤解させた彼の唐突なキス(そしてその後のあえて語られない親密な数時間)のことだ。彼女はそれが彼の気まぐれやいいかげんさの結果ではなく愛の告白だったと信じたいがためまだ混乱しているのだ。「勇気ないのね 踏み出せないの? ねえ」と挑発することで彼の態度をはっきりさせようと試みても、実のところ彼に勇気がないのではなく単に彼女を愛していないだけなのだから状況は変わるはずもなく、そのことにようやく気づき始めた彼女はさらにいらだつしかない。「踏み出せないの?」という問いかけが同時に自らにも向けられているということを彼女は知っている。さて彼女(あるいは彼女たち三人)は勇気をもって踏み出すことができるだろうか、という問いかけはまた現在のPerfumeに対して向けられているものでもある。アルコールで酔っぱらっても音楽の低音に身を任せて踊っても、深夜に二人を隔てる心の間隙は鋭さを増していくばかりだ。

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 アルバム全体については、既発曲と新曲をフラットな感覚で聴くことがまだ困難なため評価は保留。ただ全体的に音がびっしり詰まった印象の曲が多いなかで『Kiss and Music』は音に隙間があってかつタイトでよいですね。アルバムの中ではこの曲がいちばん好きかもしれない。そもそも一般的なポップ・ミュージックというものはこんなに音がぎっちり詰まっているものなんですかね。普段音がすかすかな音楽しか聴いていないだけかもしれないけれど、アルバムなんてもっと音が少なくないと通して聴くのに疲れちゃうんじゃないかしら。